見つけてもらうために

遭難したことより、どこにいるか分からないことのほうが捜索を長引かせます。 単独だったか、連絡手段を使えたか。2025年の警察庁確定統計に、そのまま結果が出ています。

単独か、複数か

2025年に遭難した3,623人のうち、1,367人(37.7%)が単独でした。

単独登山者のうち死亡・行方不明は209人で、15.3%。 全体の9.2%と比べて高くなっています。 動けなくなったときに知らせる人がいない、というのがそのまま結果に出ています。

単独行そのものを否定するものではありません。単独で入る人の年代構成や行動内容の違いも影響しますが、 それを分けられる集計は公表されていません。

連絡手段を持っていたか

2025年の3,122件のうち、739件(23.7%)は 通信手段を使っていません。携帯電話を使ったのが2,364件、 無線機が19件です。

警察庁の注記によれば、通話エリア外やバッテリー切れも「使用なし」に含まれます。つまり端末を持っていても、圏外や電池切れで使えなかった例がこの中にあります。 予備電源と、圏外でも位置を知らせる手段が効いてくるのはここです。

行方不明のままの人がいる

2025年に 33が行方不明のままです。 一方で無事に救出された人は 1,811人。位置を知らせる手段を持っているかどうかで、捜索の前提が変わります。

行方不明が長引くことは、家族にとって捜索費用の問題だけでは終わりません。死亡が確認できないと死亡保険金は請求できないという制度上の問題があります。 これについては 山の保険で見落とされがちなこと にまとめました。

データを見る

年別・都道府県別の内訳は 山岳遭難統計 にあります。